BICゼミブログ
2.262026
【卒業生コラム】「多国籍な空で働く外資系CAのリアル」

吉松 桃(2025年卒・15期生)
現在私は、アラブ首長国連邦国営航空会社エティハド航空で客室乗務員として働いている。
この仕事に就くことは、幼い頃からの本当の夢だった。就職活動でも、航空業界以外はほとんど視野に入れていなかった。大学3年生の夏には、中東のエアラインで客室乗務員として働きたいと強く思い、愛子先生のもとへ相談に行った。もし早く合格できたら卒業前にトレーニングが始まるので、渡航先からゼミ活動をオンラインで続けてもいいですかーー?そんな少し無謀にも思えるお願いだった。
倍率の話をした時、先生はどこか半信半疑だったように感じた。でも、その頃の私にはこの将来しか見えていなかった。何度も外資系航空会社の面接に挑戦し、うまくいかないこともあれば、手応えを感じる瞬間もあった。落ちたり、受かったりを繰り返しながら、自分が本当に進みたい道を確かめていた気がする。
そして大学4年生の6月、念願だった中東エアラインへの合格をもらった。エティハド航空は、大卒が入社要件ではなく、合格後すぐに渡航しなければならない”now or never”の選択だった。まだ学生だった私は迷う時間もほとんどなく、それでも今しかないと感じ、入社を決めた。
ファーストフライト ダブリン
同年10月、アラブ首長国連邦へ渡航。客室乗務員としての新しい生活が始まる一方で、大学生としての学びも続ける日々が始まった。慣れない環境と不規則なスケジュールの中で、約半年間、空の上と地上でのゼミ論制作を行き来するような生活は決して簡単ではなかったけれど、振り返るとその時間が今の自分を形づくっているように思う。
フライト時の子供達へのサプライズ作り
会社のイベント
多国籍な環境で働きたいという思いは、進路を考えるうえで大きな軸の一つだった。だからこそ、すでに内定を得ていた日系でもアジア系でもなく、中東系の航空会社を志望していた。クルーだけでなく、お客様も世界中から集まる場所で、自分がどのように変わっていくのかを知りたかったからだ。私が好きな言葉に”Smiles are contagious.”というものがある。言葉や文化が違っても、笑顔は自然に人へ伝わっていく。その言葉を胸に、多様な背景を持つ人々が交わる空間で働いてみたいと思った。
実際の生活は、想像していた華やかなイメージとは少し違っていた。出勤の多くは深夜で、まだ街が静まり返る時間に家を出る。ブリーフィングルームに集まるのは、アラブ系、ヨーロッパ系、アフリカ系、アジア系と、偏りなく多国籍のクルーたち。英語を中心に、ときどきアラビア語が混ざる会話が自然と飛び交う。同じ制服を着ていても、それぞれがまったく異なる背景を持っている。それでもフライトが始まれば、言葉や文化を越えて一つのチームになる。その一体感の中で、ふと笑顔が広がっていく瞬間に、この道を選んだ意味を静かに実感することがある。
この一年で、約25カ国もの新しい場所を訪れることができた。旅をしながら働くという感覚は、この仕事ならではの大きな魅力だと思う。訪れる国ごとに文化や空気感は大きく異なり、そのたびに新しい価値観のシャワーを浴びているような気持ちになる。
空からの美しい景色
フライト中 クルーの誕生日祝い
中東系航空会社では、クルーは地域に固定されることなく、世界中の就航先に飛ぶ。フライトごとにチームメンバーも変わるため、同じ顔ぶれで働くことはほとんどない。一見ドライに聞こえるかもしれないけれど、私にとってはそれが心地よい距離感でもある。仕事が終われば、それぞれがすぐに自分の時間へ戻っていく。切り替えが早く、オンとオフをはっきり分けられるこの環境は、私の性格にも合っていると感じている。仕事の出来事を私生活に持ち込まず、自分のペースを保てることも、この働き方の好きなところだ。
さらに福利厚生を利用して航空券を手頃に手配できるため、気軽に旅へ出られるのも楽しみの一つだ。仕事で訪れた街をもう一度ゆっくり歩いてみたり、ふと思い立って新しい場所へ向かったりできる自由さは、この仕事ならではの特権だと思う。
以下、私のお気に入りのレイオーバーや旅の写真。
トロント レイオーバー。圧巻のナイアガラの滝
パリ レイオーバー
スマトラ島 レイオーバー。クルーとハイキング
シドニー レイオーバー
シンガポール レイオーバー
念願のクロアチア旅行
カイロ レイオーバー
もちろん、この仕事には難しさもある。日本で過ごしていた頃は、言葉にしなくても周囲が気づいてくれる場面が多かったけれど、今の環境では助けが必要なときは自分から「助けて」と伝えなければならない。最初はその違いに戸惑い、少し心細さを感じることもあった。
また、多様な価値観が交わる職場では、自分を守れるのは自分しかいないと感じる瞬間もある。だからこそ、自分の考えをしっかり言葉にすることや、ときには反論する勇気も必要になる。海外で暮らす中でよく耳にする話かもしれないけれど、私にとっては日々の経験を通して少しずつ身につけてきた大切な姿勢だと思っている。
仕事終わりの朝
まだまだ環境や出来事に感情が揺れることも多く、思い通りにいかない日もある。それでも、この一年半弱で少しずつ自分なりの働き方や向き合い方が見えてきたように感じている。社会人2年目は、目の前の出来事に振り回されるだけでなく、もう少し落ち着いて周囲を見渡せる客室乗務員でいたい。
フライトでは予想外のことが起こる瞬間も多いけれど、そのたびに自分の言葉や態度が空間の空気を変えることを学んできた。理想にはまだ届かないけれど、試行錯誤しながら前に進んでいる途中だ。これからも一便一便を大切にしながら、自分らしいペースで成長を重ねていきたいと思う。
6月からはシーズナルで成田アブダビ間がA380の二階建て飛行機になるので是非。
それでは皆様 See you onboard…✈︎
















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